私達の避難したのは、神田の或裏通りにある「きんやさん」という、父の懇意にしていた、大きな問屋だった。
その昔風の、問屋がまえの、大きな家は、昼間から薄暗かった。
細い櫺子の窓からだけ明りを採り入れている部屋部屋の、ずっと奥まった中の間のような所に、私達は寝泊りしていた。
私達の避難したのは、神田の或裏通りにある「きんやさん」という、父の懇意にしていた、大きな問屋だった。
その昔風の、問屋がまえの、大きな家は、昼間から薄暗かった。
細い櫺子の窓からだけ明りを採り入れている部屋部屋の、ずっと奥まった中の間のような所に、私達は寝泊りしていた。