おなじ向島のうちだったが、こっちはずっと土地が高まっていたので、それほど水害の禍いも受けずにすんだらしかった。
前の家ほど庭はなかったが、町内は品のいい、しもた家ばかりだったから、ずっと物静かだった。
引越した当時は、私の家の裏手はまだ一めんの芒原になっていて、大きな溝を隔てて、すぐその向うが華族のお屋敷になっていた。
おなじ向島のうちだったが、こっちはずっと土地が高まっていたので、それほど水害の禍いも受けずにすんだらしかった。
前の家ほど庭はなかったが、町内は品のいい、しもた家ばかりだったから、ずっと物静かだった。
引越した当時は、私の家の裏手はまだ一めんの芒原になっていて、大きな溝を隔てて、すぐその向うが華族のお屋敷になっていた。