その一間きりらしい家の中では、老父が一人きり、私達を見ても無言のまま、せっせと自分の仕事に向っていた。
それは履物に畳表を一枚々々つける仕事だった。
――その家というのもほんの名ばかりのような小屋から、もと私達の住んでいた母屋とその庭は、高い板塀に遮られて殆ど何も見えなかった。
その一間きりらしい家の中では、老父が一人きり、私達を見ても無言のまま、せっせと自分の仕事に向っていた。
それは履物に畳表を一枚々々つける仕事だった。
――その家というのもほんの名ばかりのような小屋から、もと私達の住んでいた母屋とその庭は、高い板塀に遮られて殆ど何も見えなかった。