夏目漱石 『虞美人草』 椅子の背の上に首だけ見えた欽吾の後姿が、声のした方へ、じいっと廻り込むと、なぞえに引いた眉の切れが三が一ほどあらわれた。 黒い片髭が上唇を沿うて、自然と下りて来て、尽んとする角から、急に捲き返す。 口は結んでいる。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア