それから二三日經つてから、私はふとシャルル・デュ・ボスといふ批評家の書いた「モオリアック論」を拾ひ讀みしてゐましたら、その一番最後のところで、ボスはいきなり、どうだ、モオリアックのかういふ小説には、ちよつとレンブラントの繪のやうな美しさがあるだらうと言つて、讀者の前にぽんとレンブラントを頌したボオドレエルの詩句を投げつけておいて、さつさと本を閉ぢて居ります。
この二つの場合は正に暗合でありました。
が、必しも偶然の、とは言ひ得ないやうな氣がします。
それから二三日經つてから、私はふとシャルル・デュ・ボスといふ批評家の書いた「モオリアック論」を拾ひ讀みしてゐましたら、その一番最後のところで、ボスはいきなり、どうだ、モオリアックのかういふ小説には、ちよつとレンブラントの繪のやうな美しさがあるだらうと言つて、讀者の前にぽんとレンブラントを頌したボオドレエルの詩句を投げつけておいて、さつさと本を閉ぢて居ります。
この二つの場合は正に暗合でありました。
が、必しも偶然の、とは言ひ得ないやうな氣がします。