かくのごとく能の構成を説明してきたクロオデルは、今度は、その全體としての印象を與へようとする。
それが夢に似てゐること、演者が一種の催眠術的状態の裡に動いてゐること、そして泣いたり殺したりするのには、唯、眠りに重たくなつた腕をもち上げさへすれはよいことなど。
そして光つてゐる面の上を滑りながら足の指を上げたり下げたりなどしてゐる演者については、「その各〻の動作は、大きな衣裳の重みと襞と共に、死に、打ち克たんがためのものであり、又その動作の一々は、失へる熱情の、永遠の中における緩やかなる模寫であると言へよう。