旅人はをりをり二三日前に會つた一人の青年の不幸な姿をおもひうかべる。
その厭世的になつてゐる青年がそれまで何度も手紙を寄こして彼に救ひを求めてゐたので、彼はこの度の放行の途中、わざわざその青年に會つていろいろ意見をしてやつたが、その甲斐もなかつたのである……
旅人の胸は、人皆にはそれぞれの道が神によつて豫示せられてゐて、或者は幸福への道に、また或者は苦艱への道に向はざるを得ないといふ事で、いふべからざる苦惱をおぼえる。
旅人はをりをり二三日前に會つた一人の青年の不幸な姿をおもひうかべる。
その厭世的になつてゐる青年がそれまで何度も手紙を寄こして彼に救ひを求めてゐたので、彼はこの度の放行の途中、わざわざその青年に會つていろいろ意見をしてやつたが、その甲斐もなかつたのである……
旅人の胸は、人皆にはそれぞれの道が神によつて豫示せられてゐて、或者は幸福への道に、また或者は苦艱への道に向はざるを得ないといふ事で、いふべからざる苦惱をおぼえる。