その別荘に達するには、沼のまわりを迂回している一本の小径によるほかはないので、その建物が沼に落しているその影とともに、たえず私の目の先にありながら、私はなかなかそれに達することが出来なかった。
私が歩きながら何時のまにか夢見心地になっていたのは、しかしそのせいばかりではなく、見棄てられたような別荘それ自身の風変りな外見にもよるらしかった。
というのは、その灰色の小さな建物は、どこからどこまで一面に蔦がからんでいて、その繁茂の状態から推すと、この家の窓の鎧扉は最近になって一度も開かれたことがないように見えたからである。