この家の持主である外国人は震災の時死んでしまったかも知れない。
――二人はその空家を垣の中途から最初見たときふと彼等の心に浮んだ或る考えをいつか忘れてしまったかのように、そんなことばかりしゃべり合っている。
が、その家の裏手に、そこの庭園から丁度露台へ上るような工合にして直接にその家の二階へ通じているらしい、木蔦のからんだ洋風の階段を見出した時に、少年よりいくぶん早熟ているらしい少女は思い切ったように言った。
この家の持主である外国人は震災の時死んでしまったかも知れない。
――二人はその空家を垣の中途から最初見たときふと彼等の心に浮んだ或る考えをいつか忘れてしまったかのように、そんなことばかりしゃべり合っている。
が、その家の裏手に、そこの庭園から丁度露台へ上るような工合にして直接にその家の二階へ通じているらしい、木蔦のからんだ洋風の階段を見出した時に、少年よりいくぶん早熟ているらしい少女は思い切ったように言った。