御想像どおりの、相変らずの不便な山の中で、それに慣れっこの自分はともかくも、はじめての女房には、いささか可哀そうな位だし、それに家がすこし二人だけで住むのには大き過ぎたけれども、小屋のつくりが(こんなのを端西などで 〔Cha^let〕 というのだろうか)いかにも気に入ったので、思い切って借りた。
――本当をいうと、こんな一番山奥の、それにこんな二人きりには少し大き過ぎて持てあまし気味の小屋を、他にいくつもあった手頃な小屋よりも私に特に選ばせたのは、実はこのファイア・プレェスの傍に二つ三つ無雑作にころがっていた古い樫の木の椅子(昔から私はこんな椅子をどんなに欲しがっていただろう!
と、それからレムブラントの絵なんぞの入った額縁がいくつか裏を向けて埃まみれのまま壁に立てかけてあった小さな屋根裏部屋となのだ。