こんな手紙を君に書きながら、私がいま思い出しているのは、二三日前にも読み返したリルケが「マルテの手記」の中でフランシス・ジャムらしい詩人のことを書いている一節だ。
――「ああそれは何という幸福な運命であろう。
先祖代々の家の、物静かな部屋に坐って、家付きの落ちついた家具に取囲まれながら、まぶしいほどの新緑の庭で山雀が啼きかわしたり、又、遠くの方で村の時計の鳴るのを聞いたりしているのは。
こんな手紙を君に書きながら、私がいま思い出しているのは、二三日前にも読み返したリルケが「マルテの手記」の中でフランシス・ジャムらしい詩人のことを書いている一節だ。
――「ああそれは何という幸福な運命であろう。
先祖代々の家の、物静かな部屋に坐って、家付きの落ちついた家具に取囲まれながら、まぶしいほどの新緑の庭で山雀が啼きかわしたり、又、遠くの方で村の時計の鳴るのを聞いたりしているのは。