……だがそんな迂濶なところのある私だけに、いま、――こんな人生のこんな瞬間に、――菫の花みたいなものまでもこうやってしみじみと見て楽しんでいられるのだからな、と誰に向ってともなく負け惜しむ。
夕方、女房が食事の支度をし出す頃になると、何処から来るのか、エアデルテリヤの雑種らしい大きな犬が姿をあらわす。
人恋しげな女房がそんな犬まで歓待して、家の中へ入れてやるものだから、私達が食事の間、私達の傍に仲間の一人といった恰好で坐っている。
……だがそんな迂濶なところのある私だけに、いま、――こんな人生のこんな瞬間に、――菫の花みたいなものまでもこうやってしみじみと見て楽しんでいられるのだからな、と誰に向ってともなく負け惜しむ。
夕方、女房が食事の支度をし出す頃になると、何処から来るのか、エアデルテリヤの雑種らしい大きな犬が姿をあらわす。
人恋しげな女房がそんな犬まで歓待して、家の中へ入れてやるものだから、私達が食事の間、私達の傍に仲間の一人といった恰好で坐っている。