八月の末になってから、その夏じゅう追分で暮していた津村信夫君が、きのう追分に来たという神保光太郎君と連れ立って、他に二三人の学生同伴で、日曜日の朝、ひょっくり軽井沢に現われ、その教会の弥撒に参列しないかと私を誘いに来てくれたので、私も一しょについて行った。
冬、一度その教会の人けのない弥撒に行ったことがあるきりで、夏の正式の弥撒はまだ私は全然知らなかった。
みんなで教会の前まで行くと、既に弥撒ははじまっていて、その柵のそとには伊太利大使館や諾威公使館の立派な自動車などが横づけになり、又、柵のなかには何台となく自転車が立てかけられていた。