天下に知名の学者から医局の若い学者まで、一門の精鋭をすぐった晴れの席、一門の威風は堂々と場にみち、東海の辺地に足の医者をもって自ら任じる先生は、うれしいやら、心細いやら、同門の威風にすくむ思いであった。
会がはじまると、指名をうけた人々の挨拶があったが、絶えて久しい出席のために、先生も指名をうけて、挨拶しなければならなかった。
「頼朝が流され日蓮が流された離れ小島のようなこの町にも、戦争以来、温泉療養所ができまして、あたかも当物療科の延長の感があり、そこの諸先生方と親しくしていただきまして、まるで医局にいるような気分にひたり、心からうれしい日夜をすごさせていただいております。