一応傾聴すべき論であり、日本人の血などと称して後生大事にまもるべき血などある筈がない、と放言するあたり、いささか鬼気を感ぜしむる凄味があるのだが、私の記憶に誤りがなければ彼の夫人はイギリス人の筈であり、日本人の女房があり、日本人の娘があると、却々こうは言いきれない。
だが、私は敢て咢堂に問う。
咢堂曰く、原始人は部落と部落で対立し、少し進んで藩と藩で対立し、国と国とで対立し、所詮対立は文化の低いせいだというが、果して然りや。
一応傾聴すべき論であり、日本人の血などと称して後生大事にまもるべき血などある筈がない、と放言するあたり、いささか鬼気を感ぜしむる凄味があるのだが、私の記憶に誤りがなければ彼の夫人はイギリス人の筈であり、日本人の女房があり、日本人の娘があると、却々こうは言いきれない。
だが、私は敢て咢堂に問う。
咢堂曰く、原始人は部落と部落で対立し、少し進んで藩と藩で対立し、国と国とで対立し、所詮対立は文化の低いせいだというが、果して然りや。