気違いは三十前後で、母親があり、二十五六の女房があった。
母親だけは正気の人間の部類に属している筈だという話であったが、強度のヒステリイで、配給に不服があると跣足で町会へ乗込んでくる町内唯一の女傑であり、気違いの女房は白痴であった。
ある幸多き年のこと、気違いが発心して白装束に身をかため四国遍路に旅立ったが、そのとき四国のどこかしらで白痴の女と意気投合し、遍路みやげに女房をつれて戻ってきた。
気違いは三十前後で、母親があり、二十五六の女房があった。
母親だけは正気の人間の部類に属している筈だという話であったが、強度のヒステリイで、配給に不服があると跣足で町会へ乗込んでくる町内唯一の女傑であり、気違いの女房は白痴であった。
ある幸多き年のこと、気違いが発心して白装束に身をかため四国遍路に旅立ったが、そのとき四国のどこかしらで白痴の女と意気投合し、遍路みやげに女房をつれて戻ってきた。