料理も、米を炊くことも知らず、やらせれば出来るかも知れないが、ヘマをやって怒られるとおどおどして益々ヘマをやるばかり、配給物をとりに行っても自身では何もできず、ただ立っているというだけで、みんな近所の者がしてくれるのだ。
気違いの女房ですもの白痴でも当然、その上の慾を言ってはいけますまいと人々が言うが、母親は大の不服で、女が御飯ぐらい炊けなくって、と怒っている。
それでも常はたしなみのある品の良い婆さんなのだが、何がさて一方ならぬヒステリイで、狂い出すと気違い以上に獰猛で三人の気違いのうち婆さんの叫喚が頭ぬけて騒がしく病的だった。