思いきって社長室へ乗込んで、戦争と芸術性の貧困とに理論上の必然性がありますか。
それとも軍部の意思ですか、ただ現実を写すだけならカメラと指が二三本あるだけで沢山ですよ。
如何なるアングルによって之を裁断し芸術に構成するかという特別な使命のために我々芸術家の存在が――社長は途中に顔をそむけて苦りきって煙草をふかし、お前はなぜ会社をやめないのか、徴用が怖いからか、という顔附で苦笑をはじめ、会社の企画通り世間なみの仕事に精をだすだけで、それで月給が貰えるならよけいなことを考えるな、生意気すぎるという顔附になり、一言も返事せずに、帰れという身振りを示すのであった。