伊沢は女を抱き起したが、伊沢の指の一本が胸にふれても反応を起す女が、その肉慾すら失っていた。
このむくろを抱いて無限に落下しつづけている、暗い、暗い、無限の落下があるだけだった。
彼はその日爆撃直後に散歩にでて、なぎ倒された民家の間で吹きとばされた女の脚も、腸のとびだした女の腹も、ねじきれた女の首も見たのであった。
伊沢は女を抱き起したが、伊沢の指の一本が胸にふれても反応を起す女が、その肉慾すら失っていた。
このむくろを抱いて無限に落下しつづけている、暗い、暗い、無限の落下があるだけだった。
彼はその日爆撃直後に散歩にでて、なぎ倒された民家の間で吹きとばされた女の脚も、腸のとびだした女の腹も、ねじきれた女の首も見たのであった。