ようやく石鹸を見つけだして井戸端へ出ると仕立屋夫婦が畑の隅の防空壕へ荷物を投げこんでおり、家鴨によく似た屋根裏の娘が荷物をブラさげてうろうろしていた。
伊沢はともかく煉歯磨と石鹸を断念せずに突きとめた執拗さを祝福し、果してこの夜の運命はどうなるのだろうと思った。
まだ顔をふき終らぬうちに高射砲がなりはじめ、頭をあげると、もう頭上に十何本の照空燈が入りみだれて真上をさして騒いでおり、光芒のまんなかに米機がぽっかり浮いている。
ようやく石鹸を見つけだして井戸端へ出ると仕立屋夫婦が畑の隅の防空壕へ荷物を投げこんでおり、家鴨によく似た屋根裏の娘が荷物をブラさげてうろうろしていた。
伊沢はともかく煉歯磨と石鹸を断念せずに突きとめた執拗さを祝福し、果してこの夜の運命はどうなるのだろうと思った。
まだ顔をふき終らぬうちに高射砲がなりはじめ、頭をあげると、もう頭上に十何本の照空燈が入りみだれて真上をさして騒いでおり、光芒のまんなかに米機がぽっかり浮いている。