空一面の火の色で真の暗闇は有り得なかったが、再び生きて見ることを得た暗闇に、伊沢はむしろ得体の知れない大きな疲れと、涯しれぬ虚無とのためにただ放心がひろがる様を見るのみだった。
その底に小さな安堵があるのだが、それは変にケチくさい、馬鹿げたものに思われた。
何もかも馬鹿馬鹿しくなっていた。
空一面の火の色で真の暗闇は有り得なかったが、再び生きて見ることを得た暗闇に、伊沢はむしろ得体の知れない大きな疲れと、涯しれぬ虚無とのためにただ放心がひろがる様を見るのみだった。
その底に小さな安堵があるのだが、それは変にケチくさい、馬鹿げたものに思われた。
何もかも馬鹿馬鹿しくなっていた。