涅槃大学校という誰でも無試験で入学できる学校の印度哲学科というところへ、栗栖按吉という極度に漠然たる構えの生徒が、恰も忍び込む煙のような朦朧さで這入ってきた。
強度の近眼鏡をかけて、落着き払った顔付をしているから、何かしら考えている顔付に見えたが、総体に、このような「常に考えている」顔付ほど、この節はやらないものはない。
当節の悧巧な人は、こういう顔付をしないのである。
涅槃大学校という誰でも無試験で入学できる学校の印度哲学科というところへ、栗栖按吉という極度に漠然たる構えの生徒が、恰も忍び込む煙のような朦朧さで這入ってきた。
強度の近眼鏡をかけて、落着き払った顔付をしているから、何かしら考えている顔付に見えたが、総体に、このような「常に考えている」顔付ほど、この節はやらないものはない。
当節の悧巧な人は、こういう顔付をしないのである。