然しながら、武蔵には、いわば悪党の凄味というものがないのである、松平出雲の面前で相手の油断を認めると挨拶前に打ち倒してしまったりして、卑怯といえば卑怯だが、然し悪党の凄味ではなく、むしろ、ボンクラな田舎者の一念凝らした馬鹿正直というようなものだ。
彼はとにかく馬鹿正直に一念凝らして勝つことばかり狙っていた。
所詮は一個の剣術使いで、一王国の主たるべき悪党ぶりには縁がなかった。
然しながら、武蔵には、いわば悪党の凄味というものがないのである、松平出雲の面前で相手の油断を認めると挨拶前に打ち倒してしまったりして、卑怯といえば卑怯だが、然し悪党の凄味ではなく、むしろ、ボンクラな田舎者の一念凝らした馬鹿正直というようなものだ。
彼はとにかく馬鹿正直に一念凝らして勝つことばかり狙っていた。
所詮は一個の剣術使いで、一王国の主たるべき悪党ぶりには縁がなかった。