六十の時『五輪書』を書いたけれども、個性の上に不抜な術を築きあげた天才剣の光輝はすでになく、率直に自己の剣を説くだけの自信と力がなく、徒らに極意書風のもったいぶった言辞を弄して、地水火風空の物々しい五巻に分けたり、深遠を衒って俗に堕し、ボンクラの本性を暴露しているに過ぎないのである。
剣術は所詮「青春」のものだ。
特に武蔵の剣術は青春そのものの剣術であった。
六十の時『五輪書』を書いたけれども、個性の上に不抜な術を築きあげた天才剣の光輝はすでになく、率直に自己の剣を説くだけの自信と力がなく、徒らに極意書風のもったいぶった言辞を弄して、地水火風空の物々しい五巻に分けたり、深遠を衒って俗に堕し、ボンクラの本性を暴露しているに過ぎないのである。
剣術は所詮「青春」のものだ。
特に武蔵の剣術は青春そのものの剣術であった。