ようやく、最後に、一軒みつけた。
冬の夜、まぎれ込んでくる客なぞは金輪際ないのだそうだ。
四十ぐらいの温和なおかみさんと十九の女中がいて、火がないからというので、家族の居間で一つ火鉢にあたりながら酒をのんだが、女中が曲馬団の踊り子あがりで、突然、嵐山劇場のことを喋りはじめた。
ようやく、最後に、一軒みつけた。
冬の夜、まぎれ込んでくる客なぞは金輪際ないのだそうだ。
四十ぐらいの温和なおかみさんと十九の女中がいて、火がないからというので、家族の居間で一つ火鉢にあたりながら酒をのんだが、女中が曲馬団の踊り子あがりで、突然、嵐山劇場のことを喋りはじめた。