シュルレアリズム式の構図にもっぱら官能的な煽情一方のものをぬたくり燃えあがらせる、ちょっと見ると官能的と同時に何か陰鬱な詩情をたたえている趣きのあるのがミソで、然し実際は孤独とか虚無の厳しさは何一つない、彼はただ実に巧みな商人で、時代の嗜好に合わせて色をぬたくり、それらしい物をでっちあげる名人だ。
だから絵自体の創作態度も商品的だが、又、売込みの名人で、終戦後は画家の苦境時代だが、彼は雑誌社や文士に渡りをつけて、挿絵の方で荒稼ぎ、相変らず鬼才だのユニックな作風などと巧みにもてはやされている。
一馬は別人のようだった。