諸井琴路という看護婦は今はたぶん、ちょうど三十前後だろう。
だいたい女、若い女というものは英雄愛好家だから、戦争ともなればただの娘も看護婦になって従軍するぐらいの夢は見がちのもので、看護婦ならみんな戦地へ志願しそうな鼻息のものだが、この諸井という女は別で、凡そ架空な夢の少い、冷めたい女であった。
男の冗談などには取りあいもしない。
諸井琴路という看護婦は今はたぶん、ちょうど三十前後だろう。
だいたい女、若い女というものは英雄愛好家だから、戦争ともなればただの娘も看護婦になって従軍するぐらいの夢は見がちのもので、看護婦ならみんな戦地へ志願しそうな鼻息のものだが、この諸井という女は別で、凡そ架空な夢の少い、冷めたい女であった。
男の冗談などには取りあいもしない。