あなたの仰言ることは、いつも、ごもっともで、恐縮です」
カングリ警部は如才なく応酬しながら、各人のN町のアリバイについて、こまかく一々訊ねかけたが、結局、ハッキリしているのは京子だけ、木曾乃さんは色々の買物をしたり、ひやかしたりしたが、顔見知りがいるわけでもないので、先方が覚えていてくれなければ、どうにもならない。
諸井看護婦は二番でたって十二時三十分にN町につき、バスの終点の前にある薬屋で薬を仕入れて、二時三十分発のバスで帰ってきたというが、バスがつくと先ず薬屋へ註文書をとどけておいて、町をぶらつき、二時半の発車前に戻ってきて、出来ている薬の包みを受けとってバスにのって帰ってきた。