これを又我々が追跡して、松の木の陰にあやか夫人を打擲している土居画伯をとって押えて、引き分けたですが、これで一段落と思うとさにあらず、三たび猛然、あやか夫人は一目散に、幸い自分の寝室へ逃げこんで鍵をかけることができた。
それから近づく者に掴みかかって、土居先生が十二時半すぎるころまで、あやか夫人の寝室の前に喚きつづけておられたわけです。
その時間に内海殺しが行われ、喚きつづけた土居先生をはじめ、二階の居住者にはアリバイが成り立つ、なぜなら土居先生の眼をごまかして、階下へ下りることができないから、という次第です。