先ず望月先生を殺すに当りまして、眠り薬を与えた上、刺殺するという方法がとられましたが、王仁先生は腕力ある巨漢ですし、御婦人との交渉も多く、これを防ぐには先ず眠らせることが必要であり、然し眠り薬一方ではあやか夫人に疑いのかかる怖れがある、以上の理由から、眠り薬を与えた上での刺殺という手のこんだ方法がとられたものと思われます。
さて、ゲンノショウコに眠り薬を入れる段となって、一つの手違いが起った。
この手違いが、結局、致命的な手違いとなり、千草殺し、ひいては内海殺しの必要をもたらし、御両名をはからざる苦境に追いこんだのでありました」