あやか夫人のみは一人離れて肉パイをつくっておられ、そこはゲンノショウコの煎じられつつある近所であり、他の一団の人々はその反対の離れた場所におられたのです。
そのとき、かねての計画通り、土居画伯が一間ほどの青大将をブラ下げて、食堂の窓の下を通られ、ニワトリをのんだ大蛇を退治た、腹をさいて晩メシのオカズを出してやろうと仰有りながら賑やかに登場致されたのです。
計画は図に当り一同は窓から首をだして眺める、蛇ずきのツボ平さんは、窓からとび下りて行くという協力ぶりで、あやか夫人が眠り薬を入れるチャンスが構成されたわけでしたが、ここに一人、千草さんというアマノジャクが存在し、土居先生の熱演にフンと鼻もひっかけないお嬢さんが現れたために、この計画は深刻きわまる破綻をもたらす結果となった。