こうして、五六名の方々に、広間の卓上に並べられていたコーヒー茶碗へ毒薬を入れうるチャンスを設定されたというワケであります。
これだけの助演が完了すれば、あとは土居画伯の手練の妙技に狂いのある筈はありません。
巧みに毒薬を入れたのち、巧妙な手段によって、加代子さんと茶碗をとりかえた、そして演技は見事に成功し、土居画伯はあやか夫人をハッタと睨んで、奴メがオレを殺そうとした、と怒り、あやか夫人は土居画伯をさして、ウソです、あの人こそ犯人です、あの人は指の魔術の天才ですから、と又しても、ここに、かねて計画のカケアイ漫才の名演技が行われたワケであります。