上京中の一馬先生御夫妻の宿はツボ平氏の家でありますから、私はそれとなくツボ平御夫妻からききだしましたが、あやか夫人は単独で出かけられてもその夜のうちには必ず帰ってこられたという、一度も一人で出かけられて泊ってこられたことはなかったという話でした。
してみれば、会見の場所は東京か、東京周辺の都市を遠く離れる筈はあり得ない。
私は土居画伯あやか夫人の写真を握って東京へ帰り、写真を焼き増して、三十名ほどの知友に協力をたのんで、東京はおろか、横浜、浦和、大宮、千葉、八王子に至るまで、待合、旅館、料理屋、シラミつぶしにきいて廻ったのです。