その探偵小説の人間的な合理性ということを私に教えてくれたのは、先程申した佐藤春夫氏の短篇だったのである。
その意味に於て、完全な正解が四氏もおられたということは、私のかねての目的が達成せられた一証左ではないかと思われ、私はうれしい。
もっとも、私が答案の山の中から最初にとりあげたのが、事もあろうに、長野の秋元氏の正解の答案であり、いきなり完全正解であるから、このときトタンにギョッとして、こらイケナイ、それから三通ばかり見ると、又、三通目に今度は高知の庄司氏の正解答案で、もうダメだ、これは大変なことになった、五六十人も当てているんじゃないかと思った。