「はてさて、これは奇遇です」と、大納言は驚いて答えた。
「私の祖父の家来であった年寄が、月の兎の餅を拾って食べたところ、三ヶ日は夜目が見えたという話ならば聞き及んでおりましたが、月の姫の寵愛の笛をこの私めが拾う縁に当ろうなどとは、夢にも思うてみませんでした。
なるほど、あなたの笛であってみれば、もとより、お返し致さぬという非道のある筈がございましょうか。
「はてさて、これは奇遇です」と、大納言は驚いて答えた。
「私の祖父の家来であった年寄が、月の兎の餅を拾って食べたところ、三ヶ日は夜目が見えたという話ならば聞き及んでおりましたが、月の姫の寵愛の笛をこの私めが拾う縁に当ろうなどとは、夢にも思うてみませんでした。
なるほど、あなたの笛であってみれば、もとより、お返し致さぬという非道のある筈がございましょうか。