「私の祖父の家来であった年寄が、月の兎の餅を拾って食べたところ、三ヶ日は夜目が見えたという話ならば聞き及んでおりましたが、月の姫の寵愛の笛をこの私めが拾う縁に当ろうなどとは、夢にも思うてみませんでした。
なるほど、あなたの笛であってみれば、もとより、お返し致さぬという非道のある筈がございましょうか。
けれども、このような稀有の奇縁を、ときのまのうちに失い去ってしまうことは、夢の中でもない限り、私共の地上では、決して致さぬならわしのものです。
「私の祖父の家来であった年寄が、月の兎の餅を拾って食べたところ、三ヶ日は夜目が見えたという話ならば聞き及んでおりましたが、月の姫の寵愛の笛をこの私めが拾う縁に当ろうなどとは、夢にも思うてみませんでした。
なるほど、あなたの笛であってみれば、もとより、お返し致さぬという非道のある筈がございましょうか。
けれども、このような稀有の奇縁を、ときのまのうちに失い去ってしまうことは、夢の中でもない限り、私共の地上では、決して致さぬならわしのものです。