坂口安吾 『紫大納言』 伽羅も及ばぬ微妙な香気が、ほのぼのと部屋にこめて、夜空へ流れた。 ともすれば、うっとりと、あやしい思いになりながら、それをさえぎる冷たいおののきに気がついて、大納言は自分の心を疑った。 今迄に、ついぞ覚えのない心であった。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア