夜明けは、彼の心をしずめるために訪れはせず、恋と、不安と、たくらみと、野獣の血潮をもたらして、訪れていた。
大納言は、笛をめぐって、一日、まどい、苦しんだ。
この笛が地上から姿を消してくれさえすれば、あのひとは月の国へ帰ることを諦めるかも知れない筈だということを――
夜明けは、彼の心をしずめるために訪れはせず、恋と、不安と、たくらみと、野獣の血潮をもたらして、訪れていた。
大納言は、笛をめぐって、一日、まどい、苦しんだ。
この笛が地上から姿を消してくれさえすれば、あのひとは月の国へ帰ることを諦めるかも知れない筈だということを――