坂口安吾 『紫大納言』 そうして、ようやく、谷川のせせらぐ音を耳にした。 大納言は、谷音をたよりに、這った。 横ざまに倒れ、また這い、また、倒れるうちに、ようやく視覚も戻ってきたが、谷音は、右にもきこえ、左にもきこえ、うしろにもきこえて、さだかではなかった。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア