坂口安吾 『紫大納言』 横ざまに倒れ、また這い、また、倒れるうちに、ようやく視覚も戻ってきたが、谷音は、右にもきこえ、左にもきこえ、うしろにもきこえて、さだかではなかった。 風のいたずらでなければ、耳鳴にすぎないのかも知れなかった。 あらゆることが絶望だと彼は思った。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア