若い人たちというものは、道楽者の道義感と違って、みんな胸にともかく理想の光を宿しているものだ。
若い者に全部まかしておく方が、親が変に手配するよりも却って無難なもので、悪く気を廻さぬ方がよいものだ。
終戦後、親たちの権威や道義感が失墜し、青年たちに自律性が現われたことは喜ぶべきことで、先日ダンスホールの支配人の話に、ちかごろのダンサーは無軌道な色慾派と同時に非常に多くの処女がおり、こういうことは戦前のホールになかった現象だというが、若い人たちの生活に自律性が現れ自我の責任に於て万事を行うようになれば、こういう現象が起るのは当然で、道楽親父の道徳派がダンスは国を亡すなどゝは大間違い、人間の生活の向上は、こんなところから、こんな風に現れてくるものなのである。