尾崎は本当は僕に二目おく筈なのだが、先で打つ、彼は僕をのんでかゝるばかりでなく、全く将棋さしと同様に、じらしたり、いやがらせたり、皮肉ったり、悪道無道のことをやり、七転八倒、トコトンまでガンバって、投げるということを知らない。
そのうえ、僕を酔わせて勝つという戦法を用いる、つまり、正当では必ず僕に負ける証拠なのである。
彼は昔日本棋院の女の子の初段の先生に就て修業しており、僕も当時は本郷の富岡という女の二段の先生に習っており、断々乎として男の先生に習わぬところなどもよく似ていた。
尾崎は本当は僕に二目おく筈なのだが、先で打つ、彼は僕をのんでかゝるばかりでなく、全く将棋さしと同様に、じらしたり、いやがらせたり、皮肉ったり、悪道無道のことをやり、七転八倒、トコトンまでガンバって、投げるということを知らない。
そのうえ、僕を酔わせて勝つという戦法を用いる、つまり、正当では必ず僕に負ける証拠なのである。
彼は昔日本棋院の女の子の初段の先生に就て修業しており、僕も当時は本郷の富岡という女の二段の先生に習っており、断々乎として男の先生に習わぬところなどもよく似ていた。