私はまったく無能力者であった。
私の小説などは一年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、定収にちかいものといえば、都新聞の匿名批評ぐらいのもの、それとて二十円ぐらいのもので、あとは出版社や友人からの借金で、食わなくとも酒はのむというような生活であった。
故郷の兄からも補助を仰いでおり、又、竹村書房からは、時々相当まとまった借金もしていた。
私はまったく無能力者であった。
私の小説などは一年にいくつと金にならず、概ね零細な稿料であり、定収にちかいものといえば、都新聞の匿名批評ぐらいのもの、それとて二十円ぐらいのもので、あとは出版社や友人からの借金で、食わなくとも酒はのむというような生活であった。
故郷の兄からも補助を仰いでおり、又、竹村書房からは、時々相当まとまった借金もしていた。