タカ子の書いた暗号だという確証はないのだから、まして一人は失明し、一人は死んだ今となって、過去をほじくることもない。
戦争が一つの悪夢なんだから、と気持をととのえるように努力して、買った本は家へ持って帰ったが、片隅へ押しこんで、タカ子に一切知らせないつもりであった。
けれども、そういう心労が却って重荷になってきて、なまじいに自分の胸ひとつにたたんでおくために、秘密になやむ苦しさが積み重なってくるように思われた。
タカ子の書いた暗号だという確証はないのだから、まして一人は失明し、一人は死んだ今となって、過去をほじくることもない。
戦争が一つの悪夢なんだから、と気持をととのえるように努力して、買った本は家へ持って帰ったが、片隅へ押しこんで、タカ子に一切知らせないつもりであった。
けれども、そういう心労が却って重荷になってきて、なまじいに自分の胸ひとつにたたんでおくために、秘密になやむ苦しさが積み重なってくるように思われた。