もう東京があらかた焼野原となった初夏の一日、その人が自宅附近を歩いていると、あまり人通りもない路上へ新聞紙をしき、二十数冊ほどの本をならべて客を待っている男があった。
立ち寄ってみると、すべてが日本史に関する著名な本で当時得がたいものばかりであったから、すでに所蔵するものを除いて、半数以上を買いもとめた。
もとめた本の多くは切支丹関係のもので、書名をきいてみると、明に矢島の蔵書に相違なかった。
もう東京があらかた焼野原となった初夏の一日、その人が自宅附近を歩いていると、あまり人通りもない路上へ新聞紙をしき、二十数冊ほどの本をならべて客を待っている男があった。
立ち寄ってみると、すべてが日本史に関する著名な本で当時得がたいものばかりであったから、すでに所蔵するものを除いて、半数以上を買いもとめた。
もとめた本の多くは切支丹関係のもので、書名をきいてみると、明に矢島の蔵書に相違なかった。