葬儀などゝは、もってのほかで、身辺の二三人には、誰かに後始末してもらわなければならないけれども、死んだ人間などゝいうものは、一番つゝましやかに、人目をさけて始末して欲しい。
むなしくなった私のむくろを囲んで、事務的な処理をするほかに、よけいなことをされるのは、こうして考えても羞しい。
死んだ顔に一々告別されたり、線香をたて、ローソクをもやし、香などゝいうものをつまんで合掌メイモクされるなどゝ、考えてもあさましくて、僕は身辺の人に、告別式というものや、通夜というものはコンリンザイやらぬこと、かたく私の死後をいましめてあるのである。