大音響のハサミウチに、千鳥波もふと気がついて、ハハア、さては先刻の訓辞が骨身にしみて、生娘の一念、ジッと凝らしてツウさんの気息をうかゞい、間一髪に見破って、悲鳴をあげたのかも知れない。
とっさのことで手もとに皿がないから悲鳴をあげたと思えばイジラシイことでもあるが、待てしばし、今来たばかりの初見参の御三方のどれがツウさんやら知る筈のないことである。
千鳥波は女の初々しさ、ウブな色気にひと方ならずチャームされるところがあったから、一度はこんな風にこれも女の初々しさによるせいだなどゝ思ってみたが、そうじゃない。