標準語というものを堅く定めて、これ以外のクズレタ言葉を使うな、と云っても、これが文章上だけの問題ならとにかく、日常の言語生活に於ては、人間の感情、趣味などが言葉をはみだし、言葉をひきずるようになり、おのずからクズレざるを得ない。
ソウダワ、とか、ダワヨ、アソバセ、というような女性語は流行の衣裳や化粧と同じような、一種の装飾的な自己表現でもある。
女性にユニフォームを定めて、これ以外の如何なる衣服も用いてはならぬ、そういう社会制度を望まれる人士は女性語を禁じて標準語を強制すべきであろうが、そのような社会制度が不当であるかぎり、女性語の禁止も無用のことであろう。