つまり一方にマカ不思議な超人的迷探偵が思い入れよろしく低脳ぶりを発揮し、一方にそれと対してあまりにもナンセンスなバカ探偵が現れて、わかりきったクダラヌ問答をくりかえす。
とても読めるものじゃない。
ガボリオーの創始した型を三人四人模倣したら、たいがい作者も読者もウンザリしそうなものだが、それから何十年、洋の東西を問わず何千何万の探偵小説家がみんな同じ型をふむばかりか、それだけが探偵小説の本道だという思いこみ方で、他の芸ごとに比して、探偵小説がいかに幼稚な、無知性的な状態に安住しているかということがわかる。