日本橋にウヰンザアといふ芸術家相手の洋酒屋ができて、そこの女給であつたが、店内装飾は青山二郎で、牧野信一、小林秀雄、中島健蔵、河上徹太郎、かう顔ぶれを思ひだすと、これは当時の私の文学グループで、春陽堂から「文科」といふ同人雑誌をだしてゐた、結局その同人だけになつてしまふが、そのほか中原中也と知つたのがこの店であつた。
直木三十五が来てゐた。
あの当時の文士は一城をまもつて虎視眈々、知らない同業者には顔もふりむけないから、誰が来てゐたかあとは知らない。
日本橋にウヰンザアといふ芸術家相手の洋酒屋ができて、そこの女給であつたが、店内装飾は青山二郎で、牧野信一、小林秀雄、中島健蔵、河上徹太郎、かう顔ぶれを思ひだすと、これは当時の私の文学グループで、春陽堂から「文科」といふ同人雑誌をだしてゐた、結局その同人だけになつてしまふが、そのほか中原中也と知つたのがこの店であつた。
直木三十五が来てゐた。
あの当時の文士は一城をまもつて虎視眈々、知らない同業者には顔もふりむけないから、誰が来てゐたかあとは知らない。